君色のソナチネ





「おい春咲、保健室遠くねぇ?」


「仕方ないでしょ、中央棟に、あるんだから。」


ほんっと不便なのよね。図書館も別にあるくらいなんだから音楽棟の方にも保健室くらいあっていいんじゃないかしら。


なんて不満を漏らして息を切らしながら走ること、たぶん3分近く。やっと、中央棟まできた。10分くらい走ってきた気分だ。


「もう、つくわよ。」


保健室に飛び込む。


「先生‼︎」


「あらぁ〜!音楽科の子達じゃないの〜‼︎
珍しいわねぇ〜。」


相変わらず呑気な野坂先生。


「あの、こいつ急に倒れたから、運んできたんですけど。」


「あらっ‼︎転校してきた神峰くんね。話は聞いてるわよ。はじめまして。私はこの学園の養護教諭の野坂です。」


いやいや、挨拶してる場合じゃないでしょ‼︎


「先生っ‼︎」


「あらっごめんなさいっ。
でっ倒れたのだったわよね?
水姫さんじゃないの‼︎これまた珍しい。
早く、あっちのベットに寝かせてあげてちょう
だい。」


神峰君が、純怜をベットに寝かせると、先生はすぐに熱を測り始めた。