「ゔっ‼︎」
少しからかっただけなのに、この反応。
ほんと、おもしれぇ奴。
「それで?話って何なのよ。」
「お前の演奏、良かった。
曲の世界に引き込まれた。
こんなに心動かされる演奏を聴いたのは2人目だ。」
「急にどうしたの?熱でもあるの?」
心配そうに、覗き込む彼女。
こっちは真剣に話しているというのに。
「大真面目だ。」
「はいはい、ありがとう。
あなた様も耳と感性が宜しいのでございますね。」
はぁ?
こいつ、自分の実力知らないのか?
訳分からねえ。
まぁ、それよりだ。
多分分からないと思うが聞いてみるか。
目的は果たそう。
「なぁ、純怜、お前何を背負ってるんだ?
今日のお前の演奏を聴いていて、勘違いだと思ったが、最後の和音でやはり感じたんだ。胸が張り裂けそうなくらいの悲しみを。
何で、そんなに重くて暗いものを背負ってるんだ?」
「は?なにそれ?
私、そんなもの背負ってないよ。
ってか、例え何か背負ってたとしても、出会って間もない人に言えるわけないじゃん。」
それも、そうか。
何故俺はこんなにもこいつに興味を持ってるんだ?
普通に考えて、聞かないよな。
まぁ、いいか。
考えるだけ無駄だ。
何も知らなそうに、興味が無さそうに言ってるから、身に覚えがないのは本当だろうな。
俺の、勘違いだったということか。

