君色のソナチネ





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どこまでも、伸びてゆくかのように広がる音。
それと同時に広がってゆく大地。


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木々が騒めく。


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水の精達が戯れ、遊んでいるよう。


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そんな水の精たちもいつしか一つとなり、竜のようなうねりを伴った激流へと姿を変える。


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降り注ぐ雨、落ちる雷。
ますます勢いを増す激流は、生き物達の平穏をも呑み込む。


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やがて嵐が過ぎ去り、
荒れ果てた大地に木々が芽生え、大きな大きな森となる。
再びおとずれる束の間の平穏。


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鳥たちは歌い、動物たちは踊り、木々は微笑み、大地がそんな生き物たちを優しく包み込む。


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でも、それは一時的なもの。
激流は流れ続ける。
嵐によって、生き物達を恐怖させながら。


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そんな激流も、幾つもの激流を取り込んでいると、いつしか大きな河となり、今度は生き物達のオアシスへと姿を変える。


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最終的には海へと流れ、地球の生命を守る、母親のような暖かな存在となる。