ー奏sideー


「…そ、う。」


純怜に厳しく言った事を引きずりながら弾き終わり、額に垂れる汗をぬぐった時、隣から小さな小さな声が聞こえてきてその方に体を向ける。


縋り付く様に泣きついてきた純怜。



「…た…すけ…て…」



消えてしまうのではないかと思われるほどの弱々しいpppのその声は、fffの叫びとなり俺の心を貫いてきた。


胸を締め付けられる程の心からの叫びに、何をしてやればいいのかも分からず、ただただすがりつき静かに涙を流している純怜を見ている事しかできなかった。