って、なんだあの可愛いこと言うヤツ!
見た目どころか性格どころか行動どころか発言までっ!
ちっくしょう美空、どうしてそんなにどこもかしこも可愛いんだっ!!

俺はドアを開け、まだこちらに気づいていない美空を後ろから抱きしめた。

「だよなぁ美空、俺達幸せだなぁ」

美空は驚いてわっと声を上げ硬直し、桃瀬は焦った顔で瀬田君聞いてたの? と尋ねてきた。

「美空探してたら声が聞こえたから。
どこまで? で旅行の話はないよなぁ?」

質問の意味、察しろよな鈍感娘、と、後ろから美空の頭を撫でる。
うぅ、と俯く小さな頭を撫で回していると、目の前の桃瀬が苦笑いを浮かべた。
最初から聞いていたんだね? と小さく言いながら。