「こら美空。それ、俺のだろ?」

「え? 夜会うんだったらお家にあるの持ってくるし、いたんじゃっても仕方ないからあげるよ?」

全部食べて良いよ、と、容器ごと高橋に団子を渡す美空。
ありがとう、と高橋はもらった団子を持ってルンルンとした足取りで席に戻っていった。

「俺と食べるために作った物を、人にあげちゃだめでしょ?」

「だから、家にまだいっぱいあるってば。
瀬田ってば心配性だね、自分の分がなくなったって思ってるの?
なくなってないよ、大丈夫!」

相変わらず甘そうないちごオレのストローから口を離して、美空はきっぱりとそう言い切った。

……。
大丈夫って、そうじゃなくてね、お前……。

てか。団子食べるのにいちごオレを合わせる気だったのか……?