「ん? 団子……?」

「うん! お団子!」

団子を一つ、黄色いライオンのイラストの書かれたピックに差して俺に見せながら、ニコニコと美空が笑顔を浮かべる。
なぜ団子?
なぜライオン?
あ、よく見るとうさぎやらゾウやらもある。って、小学生のお弁当かっての。

はいどーぞ、ってライオン団子を目の前に差し出されても。

「瀬田、お団子、嫌い?」

驚いてなかなか反応しない俺に、美空は団子を持つ手を引っ込めた。

「いやいや、嫌いじゃないけど。
ただ、なぜなんだって思ってる」