鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集

「いや別に、美空がしたいことにそこまで反対はしないけど……。
一言欲しかったかな。で、毎日隣にいる役を買ったかもな。鈴木のかわりに」

自分のバイトを休んででも。

「ほらやっぱり、ついてくるんじゃないの」

「すみません、女性スタッフがほしかったもので。
男性ではちょっと……」

ジト目の鈴木と何故か謝るスタッフが目の前にいる。
美空はなかなか脱げないたこの着ぐるみと格闘中で、話しを聞けていないようだった。
不器用だな、と眺めていた時だった。
あ、転びそう……!
美空はたこの足部分に、片方だけ出かかった自分の足を引っ掛けてバランスを崩した。

「美空!」