「……二人とも、結局何だったんだろ……」

あたしは玄関で靴を履き替えながら、首を傾げた。

「この鈍感娘。
天然記念物か、お前は。
告白だっつってんだろ?」

「告白なんてされなかったよ?」

「……俺がいるから諦めたんだよ、二人とも。
分かった?」

鈍感、と笑って、瀬田はあたしの髪をくしゃくしゃにかきまぜた。

「だから、髪の毛ぐちゃぐちゃにしないでったら!」

「はいはい悪かったよ、お詫びに送ってってやる」

今度は優しく髪をなでて、瀬田は笑った。
優しいんだか、意地悪なんだか、やっぱりわかんないなぁ。