恋より先に愛を知る




確かに・・・。



もともと引っ込み思案な私の性格を、
彼は何度も変えようとした。



なかなか言い出せない私に苛立って、
彼が怒ることもあった。




でも、
どうしてじっちゃんにはそれがわかるの・・・?





「あんた、さっきこう言ってたなぁ。


 “あの人が夢に向かって進むには、
  私はいちゃいけないんだ”って」




「うん・・・」




「そういうことだ」



「え?」




「その恋は、あんたの心が中心じゃない。
 全てその男のことを考えてしまう」




じっちゃんが、自分の胸に手を当てて続けた。



「そのために自分の気持ちを二の次にして、
 相手を優先させてしまう。


 相手の幸せのためを思うが故に
 成される行動だ。



 それが、私の言う“愛”だ」









相手の幸せ?








それが、じっちゃんの言う、“愛”?