“死ぬなよ”
その言葉が、重くのしかかる。
私が?
そんなことするわけないじゃない。
だけど、正直私は苦しいんだ。
こんな病気になってから、
よく思ってしまう。
“死にたい”
ううん、そんなのとは少し違うの。
“殺してやりたい”
そんな感情。
穢れた自分がここにいることが許せなくて。
そんな私が道を踏み外して、中途半端にいるのなら、
もっともっと、生きたかった人たちがいるのにって。
やるせなくなって、いつも思うんだ。
“こんな自分、殺してやりたい”って。
半年前の事件の加害者には、
もう憎しみとかそんな感情は残ってない。
そんなのはもう、諦めた。
そうするのと同時に、
自分が憎くなってきた。
想像できる?
もう一人の私が、私に囁くのよ。
―殺せ。ころせ。コロシテシマエ。
そんな醜く汚らわしい自分を、コロシテシマエ―
“死”という言葉に、
異常なまでに敏感な自分。
命を粗末に扱う人が心底嫌いだった自分。
それなのに、その私自身が
そんな言葉を使う日が来るなんて思ってもいなかった。
“自分を殺してやりたい”
そんな感情に憑りつかれている私にとって、
海斗の言葉はすごく、すごく重かった。
そうして私は怖かったの。
そんな自分を、あの人に知られること。
あの人だけじゃない。
私の周りにいるすべての人に。


