「おいで。郡くん、イイヒトだね。とっくに再婚してるらしいわ。中沢さんは、あいかわらずや。」
そう言いながら、なっちゃんの手を引いて店へとエスコートした。
「夏子さーん!久しぶり!」
中沢さんがカウンターの椅子に座ったまま、両手をぶんぶんと振った。
「中沢さん!わー!老けてない!むしろ若返った?生活感ないから?おかしーっ!」
なっちゃんは、中沢さんに駆けより、両手を取り合ってキャッキャと再会を喜び合った。
隣で小さくなってる郡さんに気づいて、なっちゃんは慌てて神妙にお辞儀をした。
「ご無沙汰してます。みなさま、お変わりありませんか?」
「ありがとうございます。父も母もずいぶんと年老いましたが、何とか元気です。夏子さんは、楽しそうですね。……よかった。」
なっちゃんは、よそ行きの笑顔を貼り付けた。
「おかげさまで……娘も授かり、幸せです。」
郡くんは、曖昧な笑顔でうなずいた。
……微妙な元夫婦は、何年たっても、微妙なまんまか。
今さらながら、郡くんに同情した。
つくづく、今日は変な日だ。
なっちゃんの、元同僚と前の旦那は結局、長々と居座ったあげく、うちで夕食を食べて行くことになってしまった。
「じゃあ、お買物して帰ります。お義母さんもさっちゃんも待ちくたびれてるみたい。」
「あ、夏子さん、僕も-!神戸牛買って-!お金は郡(こおり)くんが出してくれるから!」
「……はい。」
3人は、賑やかに店を出て行った。
もちろんココのお勘定も、郡くんが払ってった。
中沢さん……ハナっから払う気、ゼロ。
おもしろいヒトだ。
常連さんたちも三々五々帰って行き、やっと店内が静かになった。
1人残って、静かにたたずんでいたハーフくんと目が合った。
「……やはりバッハは古楽器での演奏が素敵ですね。フライブルク・バロック管弦楽団、パドヴァ・ヴェネト管弦楽団、ウィーン・ホーフムジークカペレ(ウィーン宮廷楽団)、アンサンブル・オルケストラル・ドゥ・パリ(パリ室内管弦楽団)……次はどこだろうと、つい長居してしまいました。」
ニッコリとほほ笑みながらそう言った彼に、俺も自然と頬が緩んだ。
「お詳しいですね。お好きなんですか?バッハが?バロックが?」
心持ち音量を上げて、次の演奏にスキップした。
そう言いながら、なっちゃんの手を引いて店へとエスコートした。
「夏子さーん!久しぶり!」
中沢さんがカウンターの椅子に座ったまま、両手をぶんぶんと振った。
「中沢さん!わー!老けてない!むしろ若返った?生活感ないから?おかしーっ!」
なっちゃんは、中沢さんに駆けより、両手を取り合ってキャッキャと再会を喜び合った。
隣で小さくなってる郡さんに気づいて、なっちゃんは慌てて神妙にお辞儀をした。
「ご無沙汰してます。みなさま、お変わりありませんか?」
「ありがとうございます。父も母もずいぶんと年老いましたが、何とか元気です。夏子さんは、楽しそうですね。……よかった。」
なっちゃんは、よそ行きの笑顔を貼り付けた。
「おかげさまで……娘も授かり、幸せです。」
郡くんは、曖昧な笑顔でうなずいた。
……微妙な元夫婦は、何年たっても、微妙なまんまか。
今さらながら、郡くんに同情した。
つくづく、今日は変な日だ。
なっちゃんの、元同僚と前の旦那は結局、長々と居座ったあげく、うちで夕食を食べて行くことになってしまった。
「じゃあ、お買物して帰ります。お義母さんもさっちゃんも待ちくたびれてるみたい。」
「あ、夏子さん、僕も-!神戸牛買って-!お金は郡(こおり)くんが出してくれるから!」
「……はい。」
3人は、賑やかに店を出て行った。
もちろんココのお勘定も、郡くんが払ってった。
中沢さん……ハナっから払う気、ゼロ。
おもしろいヒトだ。
常連さんたちも三々五々帰って行き、やっと店内が静かになった。
1人残って、静かにたたずんでいたハーフくんと目が合った。
「……やはりバッハは古楽器での演奏が素敵ですね。フライブルク・バロック管弦楽団、パドヴァ・ヴェネト管弦楽団、ウィーン・ホーフムジークカペレ(ウィーン宮廷楽団)、アンサンブル・オルケストラル・ドゥ・パリ(パリ室内管弦楽団)……次はどこだろうと、つい長居してしまいました。」
ニッコリとほほ笑みながらそう言った彼に、俺も自然と頬が緩んだ。
「お詳しいですね。お好きなんですか?バッハが?バロックが?」
心持ち音量を上げて、次の演奏にスキップした。



