「私は、産みたいし育てたいけど、それで周囲の人たちを傷つけたり苦しめたりしたくないんです。だから、誰にも言わず転居して、内緒で産んで育てるつもりです。どうか、誰にも言わないでください。吉永先生にも、竹原くんにも、ですよ!」
珍しく強い口調で言った私に、和田先生はたじろいだ。
「……そう。でも、いいの?認知してもらったら、かなりの額のお金が転がりこんでくるのに……」
私は黙って首を横に振った。
貯金もあるし、働けば何とかなる。
「何もいりません。もう充分、愛情をいただきました。」
ほろっと涙がこぼれ落ちた。
和田先生は慌てて私の背中をさすってくれた。
「そっか。わかったわかった。応援する。誰にも言わない。ね、ね、泣かないで。ママが泣いてたらお腹の赤ちゃんが不安になるから!」
「本当ですね。……もう泣きません。がんばります。とりあえず病院に行ってきます。」
「え?まだ行ってないの?普通、確定してから辞表出すんじゃないの?」
そう指摘されて、私は泣き笑いしてしまった。
「本当。でもたぶん間違いないです。」
奇妙なぐらい確信があったけれど、市販の検査薬すら試してなかった。
放課後、すぐに病院に行った。
生理が1週間遅れただけなのに、もうしっかりと妊娠の陽性反応が出ていた。
さすがに性別はわからないし、まだ安定期にも入っていない。
小さな命を守れるのは私だけ。
がんばらなきゃ。
とりあえず、引っ越し先よね。
母の婚家には一時的に身を寄せることはできても、ずっとは居られないだろう。
それに、義人くんに千里山に実家があると言っているだけに……すぐに探し当てられてしまうような気がする。
……やっぱり、神戸かな。
言いにくいけど、章(あきら)さんに空いてるお部屋を貸していただくのが一番いいのかな。
保育園から高校まですぐ近くに密集してるし、駅も近いし、商店街もあるし、暮らしやすい。
覚悟を決めて、お願いしに行こうかしら。
あ……1人、筋を通しておいたほうがイイヒトのことを忘れてた。
要人さん。
たぶん、どんなに綺麗に姿を消しても、要人さんにはあっさりとバレてしまうだろう。
最初から、ちゃんと報告しておいたほうがいい気がする。
もちろん一切迷惑をかけるつもりがないことも伝えたい。
帰宅するとすぐに要人さんの携帯に電話をかけた。
『こんばんは。どうかされましたか?』
柔らかい声に、緊張が解けた。
珍しく強い口調で言った私に、和田先生はたじろいだ。
「……そう。でも、いいの?認知してもらったら、かなりの額のお金が転がりこんでくるのに……」
私は黙って首を横に振った。
貯金もあるし、働けば何とかなる。
「何もいりません。もう充分、愛情をいただきました。」
ほろっと涙がこぼれ落ちた。
和田先生は慌てて私の背中をさすってくれた。
「そっか。わかったわかった。応援する。誰にも言わない。ね、ね、泣かないで。ママが泣いてたらお腹の赤ちゃんが不安になるから!」
「本当ですね。……もう泣きません。がんばります。とりあえず病院に行ってきます。」
「え?まだ行ってないの?普通、確定してから辞表出すんじゃないの?」
そう指摘されて、私は泣き笑いしてしまった。
「本当。でもたぶん間違いないです。」
奇妙なぐらい確信があったけれど、市販の検査薬すら試してなかった。
放課後、すぐに病院に行った。
生理が1週間遅れただけなのに、もうしっかりと妊娠の陽性反応が出ていた。
さすがに性別はわからないし、まだ安定期にも入っていない。
小さな命を守れるのは私だけ。
がんばらなきゃ。
とりあえず、引っ越し先よね。
母の婚家には一時的に身を寄せることはできても、ずっとは居られないだろう。
それに、義人くんに千里山に実家があると言っているだけに……すぐに探し当てられてしまうような気がする。
……やっぱり、神戸かな。
言いにくいけど、章(あきら)さんに空いてるお部屋を貸していただくのが一番いいのかな。
保育園から高校まですぐ近くに密集してるし、駅も近いし、商店街もあるし、暮らしやすい。
覚悟を決めて、お願いしに行こうかしら。
あ……1人、筋を通しておいたほうがイイヒトのことを忘れてた。
要人さん。
たぶん、どんなに綺麗に姿を消しても、要人さんにはあっさりとバレてしまうだろう。
最初から、ちゃんと報告しておいたほうがいい気がする。
もちろん一切迷惑をかけるつもりがないことも伝えたい。
帰宅するとすぐに要人さんの携帯に電話をかけた。
『こんばんは。どうかされましたか?』
柔らかい声に、緊張が解けた。



