広い応接室にはピカピカの銀色の鉄板まで準備され、私達は本格的なステーキ懐石をいただいた。
「点火時には、室内灯を落としたほうが綺麗に見えますので、それまでにたくさん食べておいてくださいね。」
でっぷり太ったシェフにそう言われ、がんばって食べるのだが……もともと脂身の苦手な私は、れいちゃんやはるちゃんのように、はしゃいでモリモリ食べることはできなかった。
生あくびが連続して出てきて、だんだん気持ち悪くなってきた。
「やば……。ちょっと吐いてくる。大丈夫だからゆっくり食べててね。」
シェフに聞こえないように、れいちゃんに小声で伝えて、ふらふらと立ち上がった。
「はぁい。……次、じゃあ、『みすじ』焼いてくださーい。」
……現役ジェンヌの健啖ぶりにこみ上げる吐き気を我慢しつつ、私はふらふらと廊下に出た。
気持ち悪い。
風に当たりたい。
残念ながら、廊下には全開できる窓はない。
一度、一階に降りようかしら。
そう思ってエレベーターに乗り込んだのだが……機械の急降下に身体がついていけないらしく、
吐き気が一気に襲ってきた。
やばい!
うずくまって耐えていると、エレベーターが一階に到着して、ドアが開いた。
「……夏子さん?」
驚いて顔を上げると、義人くんがコンビニの袋をいくつも腕に下げて立っていた。
「……吐きそう。」
思わずそう言って見上げた。
脂汗が目に入って、涙と混じってこぼれ落ちた。
義人くんは、慌てて持っていた荷物をエレベーターの床に置き、そのうちの2つは中身をぶちまけて、袋を2枚重ねた。
「とりあえず、ここに吐いたらいいから。大丈夫。トイレのほうがいい?」
「……ごめんなさい。」
吐いていいと言われても、そうあっさり吐けるものでもない。
目を閉じて悶絶してると、義人くんは舌打ちして、私の帯をときはじめた。
「あかん、顔、真っ青や。締め付けてるから気持ち悪いんちゃうか?帯、取るで。」
「……やだ……恥ずかしい……」
生あくびと涙が止まらない。
「今さら?夏子さんの身体は全部知ってるわ。」
そう言って、義人くんは、器用に帯を解き、浴衣の紐を緩めてくれた。
「……脱がすの上手すぎ。」
丸まってそう言うと、義人くんは苦笑いした。
「おかげさんで経験積んで修行してるんで。……着付けも上手いで。」
そう言って、義人くんはエレベーターの床に散らばったスナック菓子やおにぎりを拾い集めた。
ダメだ、今、食べ物を見たくない。
またこみ上げてきた吐き気をこらえようと、目をかたくつぶって仰向いた。
「点火時には、室内灯を落としたほうが綺麗に見えますので、それまでにたくさん食べておいてくださいね。」
でっぷり太ったシェフにそう言われ、がんばって食べるのだが……もともと脂身の苦手な私は、れいちゃんやはるちゃんのように、はしゃいでモリモリ食べることはできなかった。
生あくびが連続して出てきて、だんだん気持ち悪くなってきた。
「やば……。ちょっと吐いてくる。大丈夫だからゆっくり食べててね。」
シェフに聞こえないように、れいちゃんに小声で伝えて、ふらふらと立ち上がった。
「はぁい。……次、じゃあ、『みすじ』焼いてくださーい。」
……現役ジェンヌの健啖ぶりにこみ上げる吐き気を我慢しつつ、私はふらふらと廊下に出た。
気持ち悪い。
風に当たりたい。
残念ながら、廊下には全開できる窓はない。
一度、一階に降りようかしら。
そう思ってエレベーターに乗り込んだのだが……機械の急降下に身体がついていけないらしく、
吐き気が一気に襲ってきた。
やばい!
うずくまって耐えていると、エレベーターが一階に到着して、ドアが開いた。
「……夏子さん?」
驚いて顔を上げると、義人くんがコンビニの袋をいくつも腕に下げて立っていた。
「……吐きそう。」
思わずそう言って見上げた。
脂汗が目に入って、涙と混じってこぼれ落ちた。
義人くんは、慌てて持っていた荷物をエレベーターの床に置き、そのうちの2つは中身をぶちまけて、袋を2枚重ねた。
「とりあえず、ここに吐いたらいいから。大丈夫。トイレのほうがいい?」
「……ごめんなさい。」
吐いていいと言われても、そうあっさり吐けるものでもない。
目を閉じて悶絶してると、義人くんは舌打ちして、私の帯をときはじめた。
「あかん、顔、真っ青や。締め付けてるから気持ち悪いんちゃうか?帯、取るで。」
「……やだ……恥ずかしい……」
生あくびと涙が止まらない。
「今さら?夏子さんの身体は全部知ってるわ。」
そう言って、義人くんは、器用に帯を解き、浴衣の紐を緩めてくれた。
「……脱がすの上手すぎ。」
丸まってそう言うと、義人くんは苦笑いした。
「おかげさんで経験積んで修行してるんで。……着付けも上手いで。」
そう言って、義人くんはエレベーターの床に散らばったスナック菓子やおにぎりを拾い集めた。
ダメだ、今、食べ物を見たくない。
またこみ上げてきた吐き気をこらえようと、目をかたくつぶって仰向いた。



