カフェ・ブレイク

夕方、浴衣で阪急の烏丸駅にジェンヌ2人を迎えに行った。
残念ながら私の車に3人は乗れない。

気を利かせて、要人さんは、運転手の井上さん付きでご自分の車を用立ててくださった。
……至れり尽くせり過ぎる。

「すみません。こんな私用でご迷惑をおかけしてしまって。」
井上さんにそう謝る。

「むしろ役得だと思っていますよ。」
いつも静かな井上さんが、ニコニコしてそう言ってくださった。

「それより、ちょっと気になることがあるんですが……」
井上さんが首をかしげながら切り出した。

「はい?なんでしょう?」
「ダブルブッキング……と言いましょうか……社長はご存じなのかな……義人さんが屋上でお友達とバーベキューをするそうですよ。ちょっとうるさいかもしれません。窓は開けないほうがよろしいかと。」

……そうなんだ。
「お友達って、松本くんと梅宮くんかしら。」

井上さんは顔をしかめた。
「残念ながら、あまり質のよろしくない夜遊び友達のようです。……あのおふたかたなら、安心なんですけどねえ。」

「夜遊び……」
学校だけで飽き足らず、外にまで食指を伸ばしているの?
「元気ねえ。」
そうつぶやいて、窓の外に目をやった。

久しぶりに会ったれいちゃんは、元々美人だったのに、さらに垢抜けてキラキラ輝いていた。
「大瀬戸せんせー!」
ぶんぶんと手を大きく振って自分の存在をアピールする姿は、中学生の時のままなのに。

「れいちゃん。綺麗になって……。」
素敵な男役さんになりつつあるはずなのに、やっぱりかわいい元生徒にしか見えないものなのね。

「先生もまさか浴衣とは!この子、同期のはるちゃん。私も浴衣にすればよかったー!」
れいちゃんの後ろからひょっこり顔を出したのは、小柄な愛らしいお嬢さん。
『風と共に去りぬ』のスカーレットのような髪型で、赤地に鞠とうさぎを染め抜いた浴衣を着ていて、もう!見るからにかわいらしい娘役ちゃんだった。

「はじめまして。今日は私まで、すみません。」
「?……はるちゃん?どうして浴衣でそんなに大荷物なの?」

よく見ると、はるちゃんは大きめのキャリーバッグを引っ張っていた。
お泊まりするのかしら?

「あ、これ……」
はるちゃんはもじもじと言いよどみ、れいちゃんを見上げた。
その様子がほんっとに可愛いカップルのようで、私は心をわしづかみされて……萌えた。

……この2人の取り合わせ、お似合いすぎっ!
かわいいかわいいかわいいっ!!!
セットでずっと眺めてたい!

きゅんきゅんしまくりの私に、れいちゃんが説明してくれた。