「痛い?どこ?」
「……大丈夫です、これぐらい。……いててっ。」
背中を押さえてる頼之くんを手招きして呼び寄せる。
本当はフェンスを越えて行きたいけど、部外者立ち入り禁止って貼り紙もすぐそこに見えてるので、遠慮してみた。
「練習は終わったんだろ?ちょうどイロイロ薬を買ってきたから、手当てしてあげるよ。おいで。」
頼之くんはちょっとためらって、すぐには返答しなかった。
「店は休みだから、気がねしなくていいから。」
袋の中から消毒液を取り出して、少し振って見せた。
……なんだか、野良犬に餌をやる気分だな……それも、手負いの。
「お昼はもう食べた?俺、まだなんだけど、何か買って帰って、一緒に喰おうか?」
「……いいですね。」
やっと頼之くんがうなずいてくれた。
昨日よりもさらに赤く腫れた右頬が痛々しかった。
校門で待ってると、頼之くんが練習着のまま、バックと制服をかついで来た。
「背中、痛そう。足形ついてる。……蹴られたんじゃなくて、踏まれたんだよね、これ。めちゃくちゃしよーな。背骨損傷したらどう責任とるつもりだろ。」
パンパンとはたいて土を落としてあげたいけど、痛いとかわいそうなのでそっと払ってみた。
「なーんも考えてないんですよ。痛みも傷も後遺症も想像することができない。」
照れ隠しというわけでもなく、頼之くんはそんなふうに言った。
口惜しそうではあるが、どこか、加害者を馬鹿にしているようだった。
「……なるほど。」
頼之くんのこの態度が、馬鹿な先輩達にも伝わるってるんだろうな。
しかもスタメンを奪われて……
でも、これはただの虐めだろ。
「顧問に言わなくていいの?キャプテンとか。」
「……必要ないです。いつまでもやられっぱなしじゃないですから。」
頼之くんの目がギラッと滾った。
へえ……。
闘争心、強いんだな。
あの小門と、あの真澄さんからは想像できない力を感じた。
うん、頼もしいんじゃない?
「でも、相手は複数人だろ?大丈夫?」
頼之くんは、不敵な笑いを浮かべた。
「目には目を歯には歯を。……昨日やられたように、次の練習でぶっ飛ばしてやる。」
「相手は3年生だろ?頼之くんより体も大きいと思うけど……」
そう言うと、頼之くんは逆に屈んで肩からぶつかるような体勢をして見せた。
「小よく大を制す、って言葉もあるだろ。……このまま調子こかせとけんわ。」
なるほど、負けん気が強いんだな。
「まあ、怪我しない程度に戦っておいで。でも心配だから、うちに報告に寄るんだよ。」
そう言いながら、店の鍵を開けた。
「はい、どうぞ。」
頼之くんは、照れくさそうにうなずいた。
「……大丈夫です、これぐらい。……いててっ。」
背中を押さえてる頼之くんを手招きして呼び寄せる。
本当はフェンスを越えて行きたいけど、部外者立ち入り禁止って貼り紙もすぐそこに見えてるので、遠慮してみた。
「練習は終わったんだろ?ちょうどイロイロ薬を買ってきたから、手当てしてあげるよ。おいで。」
頼之くんはちょっとためらって、すぐには返答しなかった。
「店は休みだから、気がねしなくていいから。」
袋の中から消毒液を取り出して、少し振って見せた。
……なんだか、野良犬に餌をやる気分だな……それも、手負いの。
「お昼はもう食べた?俺、まだなんだけど、何か買って帰って、一緒に喰おうか?」
「……いいですね。」
やっと頼之くんがうなずいてくれた。
昨日よりもさらに赤く腫れた右頬が痛々しかった。
校門で待ってると、頼之くんが練習着のまま、バックと制服をかついで来た。
「背中、痛そう。足形ついてる。……蹴られたんじゃなくて、踏まれたんだよね、これ。めちゃくちゃしよーな。背骨損傷したらどう責任とるつもりだろ。」
パンパンとはたいて土を落としてあげたいけど、痛いとかわいそうなのでそっと払ってみた。
「なーんも考えてないんですよ。痛みも傷も後遺症も想像することができない。」
照れ隠しというわけでもなく、頼之くんはそんなふうに言った。
口惜しそうではあるが、どこか、加害者を馬鹿にしているようだった。
「……なるほど。」
頼之くんのこの態度が、馬鹿な先輩達にも伝わるってるんだろうな。
しかもスタメンを奪われて……
でも、これはただの虐めだろ。
「顧問に言わなくていいの?キャプテンとか。」
「……必要ないです。いつまでもやられっぱなしじゃないですから。」
頼之くんの目がギラッと滾った。
へえ……。
闘争心、強いんだな。
あの小門と、あの真澄さんからは想像できない力を感じた。
うん、頼もしいんじゃない?
「でも、相手は複数人だろ?大丈夫?」
頼之くんは、不敵な笑いを浮かべた。
「目には目を歯には歯を。……昨日やられたように、次の練習でぶっ飛ばしてやる。」
「相手は3年生だろ?頼之くんより体も大きいと思うけど……」
そう言うと、頼之くんは逆に屈んで肩からぶつかるような体勢をして見せた。
「小よく大を制す、って言葉もあるだろ。……このまま調子こかせとけんわ。」
なるほど、負けん気が強いんだな。
「まあ、怪我しない程度に戦っておいで。でも心配だから、うちに報告に寄るんだよ。」
そう言いながら、店の鍵を開けた。
「はい、どうぞ。」
頼之くんは、照れくさそうにうなずいた。



