「美明ちゃん、図書局入るのー?」

「あっ亜美佳ちゃん!」


次の日の休み時間、後ろから入部届けをのぞいた
亜美佳ちゃんが話しかけてきた。


「うん!何か楽しそうだったし・・先輩も優しそうだったしね♪」

「そうなんだぁ~☆でも確か図書局って三年の
海野って人いるよね?」

「うん?てゆーか海野先輩しかいなかったよ?」

「あの人すっごく暗くて友達いないって聞いたんだけど・・大丈夫?」

「え?」


全然そんな感じしなかったんだけどなぁ・・。
むしろ話しやすかったし・・


「大丈夫!全然そんなことないから!!」

「え~気をつけてね?」

「何にさー!!ほんとに大丈夫だからっ!!!」

                ・
                ・
                ・

放課後、私はまた昨日と同じように
図書局の部室の前をうろうろしていた。

休み時間の亜美佳ちゃんの言葉が頭の端をちらついていた。
大丈夫!絶対に変な人とかじゃないもん!!


「あっ!天和さん?」

「んにょぇッ?!」

「にょ?」

「あ。」


急に海野先輩に後ろから話しかけられ、
びっくりして変な声を発してしまった。
そしてその声を聞いて、また海野先輩もお腹を抑えて笑っていた。


「いやぁ、さっきの天和さんの声は・・ははっ」

「もう笑わないで下さいよ!海野先輩の意地悪!!」

「あぁ、ごめんごめん。でもおもしろくて・・はははははっ」

「先輩ぃ~・・」


部室の中ではそんなたわいもない会話をしていた。

そんなことをしているうちに
亜美佳ちゃんが言ってた言葉なんて、全部抜けてっちゃったんだ・・。