ー三年前の春・・・


「行ってきまーす!」

「行ってらっしゃい。転ばないようにね!」


私はこれから始まる中学校生活に期待をふくらませ、
家を飛び出た。
大きな坂道を駆け上ると、満開の桜に包まれた校舎が見えた。


「うわぁ・・おっきい学校・・・」


私は驚いてしばらく校舎を見上げていたが、
よしっ!と気合をいれると校舎の中に入っていった。


玄関前には新入生と思われる子がたくさん集まって、クラス表を見ていた。
私はその中に割り込むと自分の名前を探した。


「え・・っと、天和・・天和・・あった!」


1-Bの欄に自分の名前を見つけた。


「どんな人たちがいるんだろう・・・」


少し不安になりながらも自分の教室へ向かった。
教室の前でひとつ深呼吸をして、ドアを開けた。


     ガラッ


「あっ!また一人来たよー!!」

「君も1-Bの子?」


ドアを開けてすぐ、知らない女の子と男の子に声をかけられた。


「う、うん!私、天和美明!」

「てんな?変わってるね!私、空野亜美佳!」

「俺は山下怜。よろしくな。」

「・・よろしくね!」


他にも1-Bの子達はみんなフレンドリーで
私はすごくすごくこれからの毎日に期待を感じたんだ・・。