ある日、友季に呼び出された。放課後。
「何だよ?」
俺が言う。友季はなんだか、言いにくそうにしていた。
「慧のこと、好きなのか?」
俺はからかったつもりで言ったが、どうやら図星だった。友季は泣き出した。
「男なんだから、泣くなよ」
俺は思った。涙は、誰が流しても美しい。けど、俺にとって儚い水はきらの涙だけだ。特別。
友季はすぐ泣き止んで、「まあいっか」と言った。
「お前、俺に似てる。やっぱ。」
俺が言うと、友季は頷き、さっきは泣いてたかと思うと、イタズラに笑った。こいつ、不思議なやつだな、と思った。
その夜は、なんだか、気分がよかった。俺は、友季の気持ちを遠くから受け取ったような気分だった。俺は、こういう瞬間が、好きだ。自分や人を遠くから眺める時間。不思議な感覚。生きてるのか生きてないのか、わからないとき。辛くも悲しくもないとき。けど、今は思う。これこそが生きてるってことなんだと。友季は、きっと大丈夫だろう。俺が頭をつっこむところじゃない。それくらい、わかる。けど、友季が俺を選び、告白してくれたことは、嬉しい。
慧は、ふつーの顔して現れた。って、当たり前か。自分で自分を笑った。なんだか、今日はおかしい。やけにおかしい。
最近、きらに会ってないなーと思った。とはいっても、3日だ。それだけで会いたいなんて、俺も変わっちまったな。また、自分で自分を笑った。
慧は、「何考えてんの?ゆうりくーん」
なんて、ごきげんに言っている。
俺は「別にたいしたこと考えちゃいないよ。しいて言えば、小説かな」
なんて、カッコつけた。
慧は「ふーん」とだけ言った。興味なさげに。わかんねえけど。あいつのことは。
「何だよ?」
俺が言う。友季はなんだか、言いにくそうにしていた。
「慧のこと、好きなのか?」
俺はからかったつもりで言ったが、どうやら図星だった。友季は泣き出した。
「男なんだから、泣くなよ」
俺は思った。涙は、誰が流しても美しい。けど、俺にとって儚い水はきらの涙だけだ。特別。
友季はすぐ泣き止んで、「まあいっか」と言った。
「お前、俺に似てる。やっぱ。」
俺が言うと、友季は頷き、さっきは泣いてたかと思うと、イタズラに笑った。こいつ、不思議なやつだな、と思った。
その夜は、なんだか、気分がよかった。俺は、友季の気持ちを遠くから受け取ったような気分だった。俺は、こういう瞬間が、好きだ。自分や人を遠くから眺める時間。不思議な感覚。生きてるのか生きてないのか、わからないとき。辛くも悲しくもないとき。けど、今は思う。これこそが生きてるってことなんだと。友季は、きっと大丈夫だろう。俺が頭をつっこむところじゃない。それくらい、わかる。けど、友季が俺を選び、告白してくれたことは、嬉しい。
慧は、ふつーの顔して現れた。って、当たり前か。自分で自分を笑った。なんだか、今日はおかしい。やけにおかしい。
最近、きらに会ってないなーと思った。とはいっても、3日だ。それだけで会いたいなんて、俺も変わっちまったな。また、自分で自分を笑った。
慧は、「何考えてんの?ゆうりくーん」
なんて、ごきげんに言っている。
俺は「別にたいしたこと考えちゃいないよ。しいて言えば、小説かな」
なんて、カッコつけた。
慧は「ふーん」とだけ言った。興味なさげに。わかんねえけど。あいつのことは。

