親友くらい恋人





「りなちゃん」




繋いだ右手はそのままに

いつの間にか流れた涙を左手で拭った



なんどもなんども名前を呼んだ

幼かったときのように


なんどもなんども名前を呼んだ

そうすればりなが起きてくれる気がして



俺のこの声で

誰も失っていないって気付いてくれると信じて。