「おはよー!」


泪がいつもどおりのとびきりの笑顔だ。







「…………おはよ。」


普段よりもワンテンポ遅れて返事をする。



「どうしたの?寧々?
なんか嫌なことでもあった?」



「……いや………ぼーっとしててさ。」




そっか。と言いつつも泪は疑わしげな表情をしている。





筆箱だけを出して、鞄は机の横のフックに掛ける。


脳みそを全く使わなくても、毎朝やっていることは自動的に体がやってくれる。





鐘が鳴る直前に、美香と梨々香が教室に滑り込んで来た。


クラス中に笑われながら席に着いて、ホームルームが始まった。