お昼の時間が終わったところで、嘘みたいにお客さんが引いていった。 遠くには、その場に座り込んでいるスタッフも見える。 「寧々ちゃんも休みな。」 列の最後のお客さんが出ていった後、松田さんは真っ先に私に近づいて言ってくれた。 まだ1秒も休憩していないのは私だけだって。 「暑いので、倉庫で休んでもいいですか?」 座って壁にもたれ掛かると、すっと体の熱を奪ってくれた。 顔を触ると、相当火照っているのを感じる。 今まで飲む暇もなかった炭酸水も一瞬だった。