今日も、前と同じように在庫チェックをする。
数えるスピードも慣れてきたおかげで早くなった。
ふぅ。
大きめの息をはいて、倉庫の灰色の床にすわる。
みんなはまだ片づけに追われているのだろうか。
手伝ったほうがいいのだろうけど、おしりから伝わってくる、ひんやりとした感触が気持ち良かった。
それに、私は何かを待っているんだと思う。
髪を手ですくように撫でる。
朝、丁寧にオイルをつけた髪はまだほんのりローズの匂いがする。
重そうな鉄の音に顔をあげると、松田さんが扉を開けて入ってくる所だった。
「あら。寧々ちゃんもさぼってる?」
