それよりも。

それよりもだ。



今は眺めることしかできない。


いい景色の山並みのアイコン。
ちょっとおじさんくさい?かもしれない。
でも、やっぱり同級生とはアイコンから一味違った。


松田さんとLINEしたいなぁ。


なんて送ればいいのかわかんないけど。



「ほら教科書しまえー」


はっと顔をあげると、みんなペンだけを出してそわそわしている。


「配るぞー。30分なー。」


そうだ。
テストだ。



全く勉強してない。
というかするのを忘れてた。




それから30分。
詳しくは、だいたい目を通してなけなしの記憶で数個の空白を埋めたあとの22分。

残りはただの睡眠時間となった。