いろいろな未来予想図が思いうかぶ。




春休みのうちにはまったケータイ小説は、いつも学園ラブを読んだ。
たまにオフィスのもある。



メガネでドSな先輩が俺様な告白をしてくるシーンが堪らなかった。

普段は厳しくて敏腕な部長が、自分にだけ心を開いてくれるのも捨てがたい。

不良に絡まれているところを助けてくれた年上っぽい彼が、実は同じ学校の先輩だったとかもとてもすばらしい。





中学の同級生はまだ子供っぽかったり、変声すらしてない男子も多くて物足りなかった。

それ以前に、私自身が地味な見た目だった。

おしゃれなんかには無頓着で、中学のときはすごく仲のいい人はいたけど、本格的な恋はなにもない。



だから少し大人っぽいような人とクリスマスや誕生日を一緒に過ごしたり、
その人のことで頭がいっぱいになるような生活を夢見ている。





買ったばかりのピカピカのローファーで校門をくぐり、髪を手で軽くすいて最後の身だしなみを整えた。