一応、テニス部と剣道部も見ることにして、泪とすぐ近くのテニスコートまで移動した。

コートに入る前に、特徴的な金髪が目に入る。



広野君はテニスに入るらしかった。

泪も広野君に気づいて、近づきながら遠目に見ていると、広野君はどんどん女の子に囲まれていくのがわかる。

たぶん、テニス部の先輩マネージャーだと思われる数名で、広野君の頭をよしよししているのが見えた。



広野君だけではなく、手厚いスキンシップで迎えるのがテニス部の慣わしみたいで、一年女子も軽くハグされている人がいる。



泪とのアイコンタクトで、同じ気持ちを感じていると伝わった。

冷ややかな目線を送ると広野君がこっちを向いたが、私達は知らないふりをしてその場を後にした。





剣道部は人数が少なくマネージャー不足で、執拗な勧誘が嫌だった。

退出するタイミングを伺うことだけに集中し、私と泪はサッカー部のマネージャーになると決めた。