金髪子犬がじれったい!


教室に戻ると、昼休みは残り半分になっていた。


泪がにやついている。


「ねねぇ。もしかして広野君と会った?」

「え?うん。LINEきかれた」

やっぱり。と泪は腕を組む。

「見てた?」

私も含め美香と梨々香はきょとんとした顔をしていた。


「へへ。知りたぁい?」



得意気に泪が説明するには、広野君はしょっちゅう私のことを見ているんだとか。
私が教室を出た瞬間、広野君は友達との話を切って出ていったらしい。

その真偽はわからないけれど、よく見てたね。
の一言につきる。



「広野君は寧々が好きなのかなぁ?」

美香が珍しく、真っ先に反応した。




「それは……」


それはない。
そうなるきっかけはない。



「そこらへんはわかんない!」


泪はニッと笑ってお弁当を片づける。

午後は数学だ。