「「テスト?!」」
生徒の声がシンクロした。
「だからテストじゃない。
今後の授業のためにも今の1年の知識をしっておくためだ。」
そう言いながら先生はもう紙を配り始めている。
二時間は英語だった。
英語では受験のとき、散々苦労したな。
さっき机に出したばかりの教科書を仕舞いながら、少しだけ感傷にひたる。
基本的な文法と、英単語を答える問題。
この程度ならそこまで苦労しない。
ペンを止めることなくスラスラと進み、10分とないうちに一通り解き終えて一息をついた。
解答は隣の人とプリントを交換して丸つけをしあうものだった。
左から広野君のプリントを受けとる。
白い。
パット見て白いと思った。
頑張って埋めた形跡は見られるが、ところどころ、
え?こんなところも?
と思ってしまうような空欄もある。
