地下鉄の方向が同じなことが少し気になる。


ホームでは数名の女子が楽しそうに立ち話をしている。
高く弾んだ声が反響して大きく響く。

憧れていた特徴的な緑地にチェックのブレザーが視界にちらついて、朝の澄んだ空気が台無しになる。


何度も目をやっては、スマホに目を落とす。

集中していなさすぎて、画面が動いてすらいない。





もうやめよ。





今日始めて着る制服の裾からもうすでに紺色の糸が飛び出している。

朝から何度目になるかもわからない身だしなみのチェックに抜け目があったのが驚きだ。





でも、こんなに楽しみにしていたとは思わなかった。





こんな高校に行きたくないとお母さんに泣きついた日々も過ぎ、大事なのは高校でどれだけ勉強するか、大学がどこか、就職が上手くいくかだと割りきれるようになった。


そんな人もたくさんいるしね。