…なに、それ!


1時間…それって、どれくらいや。今は4時半やから、5時半位には帰ってくる。けどゆっくりって言ってたからもしかしたらそれ以上かもしれへん!まって、今密室で2人きりで……


「何してんねん、1人で百面相して。」


「うわぁ!遥人!?なんもないよ!なんもない!」


「……あっそ。」


明らかに信じてはいない遥人。


「はよ来いや」


「う、ん。」


遥人の対角線上、1番離れた場所に腰を下ろす。

2人きりになるのは初めてではない。学校帰りに2人で帰る時もある。

だけど今は違う。遥人の家、密室だ。


「…………………」


「…………………」


沈黙。


この苦しい沈黙から少しでも逃れようとスマホに手をかけ、漫画のサイト開けた。


あかん、話がはいってけぇへん…


それでもこれ以外にこの沈黙から逃れられる方法はないので仕方なく目で文字を追っていく。


「……ひゃっ!」


少し漫画に気が入れた時、遥人に指でツーっと背中を
なぞられた。

「うわ、すっげー反応。」


「〜〜〜!」


うちは背中だけじゃなく、首筋、足、耳など、色々な所が弱い。

その事は遥人も知っている。


「顔赤いで」


「っ!…うっさい!黙れ!」


「照れてんの?」


「黙れ!」


だぁー!何やねんひゃって!変な声でたし!


「なぁ、知ってる?」


「知らん!」


「まだなんも言ってないし……」