玄関にいる玲の所まで行こうと鞄とパーカーを持ちながら言うと、怜は首を横に振った


「え?何で?」


そう聞くとちょいちょいと手招きをしてきた


「なに?」


うちの耳元まで顔を近づけてくる。

少しくすぐったい。


「俺についてきたら遥人が拗ねるやろ」


「なっ!」


「俺はゆ〜っくり1時間位かけてもどってくるから、2人でごゆっくり」


「ちょっ!玲!待っ…」

バタン、と、言い終わる前に扉の向こうに消えていった。