「ドア閉めていい?」


立て膝でドアの方へ向かうと


「あかん。」


そう遥人に言われた


「今が丁度いいねん。」


「そー?なら良いけど」


ほんまはうちも寒いから閉めたかってんけどなぁ


タンスに凭れ足に掛け布団をかけている遥人がふぁーっと欠伸をした


「玲どうすんの?」


「何が」


コップを口元に持っていきながら玲に問いかけた


「いや、遊べんの?」


聞くと玲がチラッと遥人の方を見た


「着替えてから来いよ」


「寒いからこーへん」


「わがまま言うなよ、ゲーム持って来いよ。待ってるからな」


わがままはどっちやねん


「ドS」


「ありがとう」


「褒めてないわ……けどお前がこうなったら聞かんからなぁ。」


溜息混じりにそう言うと、「何持ってきたらえぇねん」
って諦めたように言った。


やっぱり玲が折れんねんな


「ゲーム機とコントローラーと、財布、その他諸々テキトーに」


「相変わらず適当やな、遥人は…、玲うち送ろっか?自転車家にあるし」


玲の家はここから歩いて15分、往復30分かかる。