「なら、明日も来ていいですか⁇
明後日も、明々後日も、その次の日も。」

明智先生はため息をついた。

「もうどうでもいい、勝手にすれば⁇」

「なら、明日も来ますね。
でも、長居するのはやめることにします。

迷惑……かけるのは本望じゃないので。

では、今日は もう帰りますね。
さようなら。」

私は、椅子の上に置いていた鞄を持って、病室を後にした。

いつもより、早い時間だけど……。

「私、燕に嫌われちゃったのかな……⁇
もう、燕と一緒に居るのは 無理なのかな⁇

……嫌だよ……、私 燕と一緒に居たいよ。

燕は……私のこと、嫌いなの⁇」

家のベッドの中、枕に顔を埋めての独り言。

〜〜〜♪

携帯が鳴ったから、電話に出た。

「もしもし。」

『あっ、未来ちゃん⁇
翔平に変わるから、ちょっと待ってね。』

望美さんだ。

「分かりました。」

『あ、伊原⁇
俺……翔平だけど、今 1人か⁇』

「……はい。」

何でそんなこと聞くんだろう⁇

『伊原にとってはどうでもいいことだと思うけど……俺と望美、1ヶ月くらいに結婚するから。

望美が仲良くしてもらってるみたいだから、報告だけでもしておこうと思ってな。』

「おめでとうございます……でいいんですかね⁇」

『あぁ、ありがとうな。
燕はどうなんだ⁇』

「迷惑だ、って言われちゃいました。

そうなんだろうと思います。
記憶を失っていて、私のことなんて綺麗さっぱり忘れているのに 毎日 病室に来られて……」