新しい彼氏が希美にいることを知ってからも、俺はしばらく諦めたりはできなかった。

適当な女と付き合ったりはしていたけど、誰とも本気にはなれなかった。

そんな時に未来に出会った。

はじめは、可愛い奴だな……って思ってたけど、たまに見せる芯の強さとか心の柔い部分とか コロコロ変わる表情とかを見ていたら 自分が未来のことを生徒としてじゃなくて 1人の女として見ていることに気づいた。

ヤバイ、と思いながら 俺は気のないフリをし続けてた。

卒業の日、未来は俺に告白しようとしていることは分かっていた。

卒業とか、全部 終わった後に告白しようと思っていた。

……けど、自分を抑えきれなくて H.R.の真っ最中、しかも3年間通して最後のH.R.で告ってて……キスしてた。

今までも、一緒に暮らしてきて 我慢しきれなかったこととか 何回もあるのは 未来もわかってると思う。

でも、それくらい未来のことが好きだ。

……けど、やっぱり思っちゃったんだよ 翔平と希美……羨ましいなって。

俺がもし、あのまま希美と上手くいってたら……とかも。

けど、俺が本当に気分が沈んでたのはそれじゃなくて……未来と別れる ってことについて。

家に帰ったら、言おう……ってあの時に決めてたから 翔平と希美の向こう側に見える未来のことについて考えてたんだよ。

……証拠とか 何もないから信じてもらうしかないけど。」

燕は黙り込んだ。