会話文短編集






「昨日だって、達也が他の女と歩いてんの見てただろ」




『…やめて』




「キスしてるところだってみただろ」




『直樹、やめて…』




「達也のこと好きでいる分、無駄だろ」




『やめてって言ってるじゃん!
分かってるよそんなことくらい…。
どうせ私から連絡しなきゃ、たっちゃんと連絡取ることなんてないんだから!』




「じゃあなんで……」




『いつまでも、こんな恋してたらダメだって。
直樹いつも言ってたでしょ』




「お前、もしかして…」




『わざとだよ。たっちゃんから連絡来ないなんて十分承知。それでいいんだ。
だからさその代わり…私の涙拭うのは、直樹のお仕事ね!』




「…ああ、任せとけよ」




(笑顔でそういうお前に、
俺は全然敵う気なんてしねーよ)




END