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「で、真琴先輩はまたオッケー出して、そんなに落ち込んでんのか、雛子」



「晴大くん…、
もしかしたら私の一方通行かも……」



「んなわけあるか!
雛子さぁ、真琴先輩たちの卒業式忘れてないだろ?」



「そりゃあ、覚えてるよ…ちゃんと。
すごく恥ずかしかったけど、嬉しかったもん」



「気持ちが一方通行してるわけねぇよ。
真琴先輩だって、本当は辛いんじゃねーの?
でも、雛子に嫌われたくないからって、
抑えてるかもしれないだろ?」



「……だと、いいな」



「電話しろ、今すぐ。
で、この後クラスの男と2人で、映画見たりするだの言え。」



「えぇ…っ」



「で、真琴先輩がまた“いいよ”って言ったら、
なんで止めてくれないの?って、言えばいい」



「………分かった」