「真琴先輩、今日、クラスの集まりあるんです」
『そうなんだ!いってらっしゃい』
「(まただ…また、“いいよ”だ。
ただでさえ週に数回の電話なのに、
何も嬉しくないよ…)」
『ヒナちゃん?』
「へ?あ、はい!」
『学校はどう?』
「たくさんの女の子たちが入ってきましたよ。
ただ、入れるのは今年の新1年生ってことで、
今年の2、3年は相変わらず男子のみです」
『そっかぁ……。
進路、決めた?』
「……」
『焦らずにね?』
「…はい、ありがとうございます」
『あ、レポートやらなきゃ。
ごめんね…』
「大丈夫ですよ!
それじゃあ、また…」
『うん、またね。
今日は楽しんできて』
──ツー…ツー…。
(先輩は、いつもいつも優しくて…
それが原因なのか、いつも男の子とお出かけしても何しても、“いってらっしゃい”…
つまりは、“いいよ”って言うんだ。
でも私は…止めて欲しい。
私ばっかり好きなんじゃないかって、
最近は、そればっかり考えてるんだ。)