放課後、日直の仕事を終えた私は、誰もいない教室を出ようとした。
すると

「杉本…ちょっといい?」

声の主がわかった時、私は心底驚いた。

学年で一番カッコいいと噂の、立石 爽太(たていし そうた)だ。

「た、立石君…?!ど、どうしたの・・・?!」
確かに、顔が凄く整っていてカッコいい。
鼓動の音がどんどん大きくなっていく。
「実はさ・・・好きなんだよね…杉本の事…」
・・・えっ?
一瞬言葉の意味が分からなかった。
でも立石君が真っ赤になっているのを見て、つられて顔が熱くなる。

嘘でしょ?立石君が私なんかの事・・・
「よければ・・・付き合ってくんない?」

時が止まっちゃったみたいだ・・・
沈んでいく太陽が、教室を照らす。

「私で・・・良ければ…!」

私は無意識にそう言っていた。