「あいつ、気味の悪いこと、言ってきたんだぜ。他人の表情を見てその人のことが分かるから隠し事しても無駄だとかなんだとか。」


「でもさ、それ普通なんじゃない?」渚が言った。


「へ?なんで?」


「だって、ちょっと鋭い人なら、表情見て他人を判断できるって人いるじゃない。」


「良太が勝手に嫌ってるだけなんじゃない?前話してたずっと見てくるっていうのだって、良太と仲良くなりたいってだけだよ。」


そうだろうか? 



「良太、明日は彼と話してみなよ。人の好き嫌いは少ない方が幸せよ。」


じゃあね と手を振って、渚は去っていった。


誰があんな奴と話すか。 ばぁーか

と心の中で毒づきながら、家に向かって一気に駆け出した。