初恋涙色

「あ、ありがとう。」


あたしがお礼を言うと瑠衣はまた、優しく微笑んだ。


その笑顔に胸がドキドキして……この気持ちはなんだろうって、思うんだ……。


「逃げたくなったら……じゃなくてさ毎日会いたいな。ここじゃなくて屋上で。」


「毎日?お前の友達は?」

栞は……大丈夫だよね
いつも、あたしにあわせてくれるから。
あたしのせいで栞がクラスに馴染めないのは嫌だし

「大丈夫。」


「じゃあ、わかった。ほら、戻れ。俺はまだ、ここにいるから。」


あたしは、頷いて教室から出た。