「よろしく、お願いします。こんな、私でよければ!」

「こんな、美月がいいんだよ!ばーか!ほら、帰るぞ!」



体育館裏から二人の姿が消えた。



俺は、それを影から見届けて腰を下ろす。



そして、静かに涙を流した。



本当に、好きだった。


大好きだった。ずっと、このまんま俺のとなりで美月が笑っていてほしかった。



でも、その役目はもう俺じゃないんだ。わかってる。そんなの。


『瑠衣!見てこれ!かわいい!』




『瑠衣~!頑張って!』




『瑠衣……大好きっ!』



もう、聞くことはないのに残像だけが頭のなかでこだまする。




大好きで、大好きで仕方ないんだ。