初恋涙色

あれから30分くらいして男子と七海が泥だらけで戻ってきた。


「どうしたの!?そんな、泥だらけで!え!何があったの!?」


あたしは、濡らしたタオルを3人に渡す。


「どうもこうもないわよ!もー。疲れた。こいつら、綺麗な虫を見つけたから追いかけてきたら迷子になってたのよ。」



「ばか!もう!そんなの、明日の班行動でやればいいじゃない!本当に……本当に心配したんだからっ……。」


ポロポロと涙がこぼれてくる。


陽太と透はあたしの大事な友達で……。


もし、いなくなったらとか考えちゃったんだもん。


「美月……。ごめんな。」


そう言って陽太はあたしを抱き締める。


「もぅぅぅ……。」


抱き締められてることに少し罪悪感を抱きながらも
あたしは、そのまんまでいた。