もう、我慢の限界だった。


チラチラ目にはいる中庭が嫌で嫌で仕方ない。


「あ、のさ!トイレいってくるね!」


栞にそんな嘘を告げて教室から飛び出す。


どこに向かうかとか、そんなの関係なくあてもなくただひたすらがむしゃらに走っていた。



そんなとき、丁度ひとつの教室の前で足を止めた。


『空き教室』


貼り紙がドアのところに貼られている。


ここは、先生とか生徒とかが用具を取りに来る場所なんだよね。


昼休みの終わる三分前。


あたしは、ここの教室のドアを開いた。