キーンコーンカーンコーン…

「あま~、アンタも早く彼氏作りなよ」

今日最後の授業が終わるチャイムが鳴った瞬間にユミの声が聞こえてきた。
もうこの言葉、何回聞いたか分からない。

佐山由美(サヤマ ユミ)は私の親友。
ユミは美人で頭が良くて、私が隠し事をしようとしてもすぐに見抜いて相談に乗ってくれる。
半年付き合ってる彼氏がいて、学校は違うけど今でもラブラブみたい。

「バスケやってたころは1人でもよかったかもしれないけど、引退すると寂しいでしょ~?」

「もう…ユミの意地悪!アタシだって好きでひとりでいるわけじゃないんだから!」

「アハハ ごめんごめん(笑)」

そんなたわいもない会話をしながら私たちはいつものように一緒に下校した。