何て可愛いのだという気持ちにさえなるアポロンは自分が既に狂っているのだと気付いた。
「我は見ていた。アポロン。汝の罪は深い。そして、アルテミス。汝がやったことも。」
神は言う。
「戻しても同じことの繰り返しだろう。オリオンは地上を守る星とする。そして、アポロン。」
アポロンを呼ぶとゆっくりと近づいた。
「眠れ。」
そして、アポロンに触れた。
アポロンは眠ってしまった。
神はその身体を鏡の中に放り投げる。
その先は天界の奥深く。
「汝は永久に茨の揺り籠で眠るだろう。」
その言霊通りに彼女は茨に包まれた。
「アルテミス。」
そう言ってアルテミスを見る。
「汝を天使へ降格させる。そして、罰を受けることになる。」
アルテミスは黙って受け入れる。
それにより、彼女は男へ姿をかえられた。
天使として生きる彼の翼はその罪を象徴するように黒かった。
「翼を持たぬ天使」
そう呼ばれた。
天使は天界にいる時は羽根を出したままにするものだ。
稀に羽根を出さない天使も居るが、戦う時は高まった神力により羽根が現れる。
彼は自分の意志で黒い羽根を隠すように、羽根を出すことはなかった。
それを見たミカエルは言う。
「やる気がない天使もいたものだ。」
その口振りは悪意がないつもりらしい。
「何故、本気を出さない。」
仏頂面で問う。
「役目には全力を尽くすものだ。地上ならばともかく、ここは天界だ。」
「相変わらず、容赦ない口振りだ。イリスの気にも触るわけだ。」
喧嘩でも始まるように見える2人の表情だが、彼らにとってはいつものことだ。
「そんなにこの羽根に興味があるのか。」
「面白そうだ。」
ミカエルは仏頂面のままだ。
どうやら、彼はこの顔は普通らしい。
「面白くはない。」
それに答えるアルテミスは困り顔のままだ。
彼はこの顔が普通らしい。
「はぁ」
嫌だがミカエルの好奇心を刺激してしまったらしく、彼に引く気がないのは表情で解る。
「俺の口は固いぞ。」
他言しないと安心させたいらしい。
口下手だなと思いながら、アルテミスは羽根を広げた。
黒い羽根が美しい光に包まれて現れる。
「……な?」
面白くなかっただろう?と呆れる。
ミカエルは羽根を見る。
「成る程。仕舞っていいぞ。」
あっさりと言う。
アルテミスは“何だこのひとは”という顔で羽根をしまう。
「我は見ていた。アポロン。汝の罪は深い。そして、アルテミス。汝がやったことも。」
神は言う。
「戻しても同じことの繰り返しだろう。オリオンは地上を守る星とする。そして、アポロン。」
アポロンを呼ぶとゆっくりと近づいた。
「眠れ。」
そして、アポロンに触れた。
アポロンは眠ってしまった。
神はその身体を鏡の中に放り投げる。
その先は天界の奥深く。
「汝は永久に茨の揺り籠で眠るだろう。」
その言霊通りに彼女は茨に包まれた。
「アルテミス。」
そう言ってアルテミスを見る。
「汝を天使へ降格させる。そして、罰を受けることになる。」
アルテミスは黙って受け入れる。
それにより、彼女は男へ姿をかえられた。
天使として生きる彼の翼はその罪を象徴するように黒かった。
「翼を持たぬ天使」
そう呼ばれた。
天使は天界にいる時は羽根を出したままにするものだ。
稀に羽根を出さない天使も居るが、戦う時は高まった神力により羽根が現れる。
彼は自分の意志で黒い羽根を隠すように、羽根を出すことはなかった。
それを見たミカエルは言う。
「やる気がない天使もいたものだ。」
その口振りは悪意がないつもりらしい。
「何故、本気を出さない。」
仏頂面で問う。
「役目には全力を尽くすものだ。地上ならばともかく、ここは天界だ。」
「相変わらず、容赦ない口振りだ。イリスの気にも触るわけだ。」
喧嘩でも始まるように見える2人の表情だが、彼らにとってはいつものことだ。
「そんなにこの羽根に興味があるのか。」
「面白そうだ。」
ミカエルは仏頂面のままだ。
どうやら、彼はこの顔は普通らしい。
「面白くはない。」
それに答えるアルテミスは困り顔のままだ。
彼はこの顔が普通らしい。
「はぁ」
嫌だがミカエルの好奇心を刺激してしまったらしく、彼に引く気がないのは表情で解る。
「俺の口は固いぞ。」
他言しないと安心させたいらしい。
口下手だなと思いながら、アルテミスは羽根を広げた。
黒い羽根が美しい光に包まれて現れる。
「……な?」
面白くなかっただろう?と呆れる。
ミカエルは羽根を見る。
「成る程。仕舞っていいぞ。」
あっさりと言う。
アルテミスは“何だこのひとは”という顔で羽根をしまう。


