あんなにへらへら笑っちゃって、何が楽しいんだか…。 特に親しくもないクラスメイトと笑う暁に、少しだけ胸がもやっとする。 「今日も乾君かっこいいよね~」 「うん!かぁわいいー」 「いいなー。彼氏にするならあんな人がいいー」 ころころと表情を変える暁を遠巻きに見て、黄色い声を上げる女子たち。 …うっとおしい、うるさい。 私はつまんだ黒豆を口に投げ入れた。 甘い、こんなの弁当に入れるおかずじゃないと思うな。