美しい嘘

ちょっとした罪悪感が私の快感に近い

嘘をついて申し訳ない気持ちの反面

その感覚に私はあなたを思ってそう言った

というようなあなたのたためにそうした感

があったからだ

普通の人はそんなこと思わないだろうけど

なんせ私の育った環境が環境だから




でもお兄ちゃんは知ってる



私がよく嘘をつくって




お兄ちゃん以外に私がこんな細かい嘘をたくさんついてるなんて


知ったことではない



「なあ？」

「何お兄ちゃん」

「お前最近疲れてんの？」

「別に」

「あんまりぼーっとすんなよ事故るぞ」

「わかってる」



心配するお兄ちゃん

私はお兄ちゃんが好きなんじゃないかと思ってしまうくらい

でも血縁関係がないとはいえ

兄弟は兄弟だ


お兄ちゃんだって彼女がいるんだから


そんな事を考えているうちに

家についていた


「「ただいま」」


2人声を揃える


「おかえりなさい」

母が返事をする




ちょっと変わった過去があっても

私、橘 瑞希は平和に暮らしている