美しい嘘

雨が少し強くなってきた

近くのカフェに入る

甘いカフェラテを1つ注文する


「はぁ...」

1口飲むとカフェラテの温かさが全身を巡った


携帯で時間を見る

PM 5:18

まだ夕飯まで時間があるから

ここで時間を潰そう



「瑞希(みき)?」

そう私に声をかけるのは

兄の

橘 蓮(たちばなれん)だった


「お兄ちゃん」

「こんな時間のこんな天気の何してんだ?」

「散歩」

「そっか」

「お兄ちゃんこそ」

「俺は大学の勉強」

「家でいいじゃん」

「いいだろ」



そんな私のお兄ちゃんはかっこいい

髪はハチミツみたいな茶色

私はこの色が大好き

あとよくモテるらしく

彼女を連れてくる




「大学楽しい?」

「まぁな」

「そっか」

「お前は高校どうなの?」

「楽しいよ」

「彼氏は?」

「知らない」

「知らないってなんだよ笑」


くすくすとお兄ちゃんが笑う

その度にハチミツ色の髪がふわふわ揺れる


お兄ちゃんは私と血が繋がっていなくても

こんなにも明るく接してくれる