「それだけじゃないよ、キミは今までたくさんボクのことを助けてくれた。学園祭のときに真美沢さんや石動(いするぎ)くん、八坂(やつさか)くんたちと仲良くさせてくれて、それからボクの学校生活が変わったんだよ。キミとエアだけで楽しかったのが、もっと楽しくなったんだよ」


「そんなこといったら、横西さんにはエアと西園寺(さいおんじ)さんの喧嘩を止めてもらって助かっているよ」


エアは一言でいえば、女の子なのに『やんちゃ坊主』という言葉がピッタリだ。

とにかく遊ぶことが大好きで、曲がったことと女々しいこと、そして、何よりも西園寺すずが大嫌いである。



一方、その西園寺さんはというと、一つ年下で西園寺財閥の一人娘でとにかくわがまま。

人のことを何かとこき使うんだけど、時折可愛い一面を持つ・・・



とにかく、この二人はとにかく仲が悪い。

喧嘩の激しさは計り知れず、学校の名物にもなっている。



その喧嘩を止められるのが横西さんだけなのだが、その止め方は彼女が周りに敬遠される要因でもあるのだが・・・


「そんなのお安い御用だよ。西園寺はボクもあまり好きじゃないけど、エアも理不尽なところがあるからね。けど・・・エアは大切な親友さ。ボク、こんな喋り方だし、性格も・・・そんなボクをエアは入学式からありのままに接してくれた。もちろん、キミも同じさ」


そう言われると、今まで横西さんには気を遣わなかった気がする。

というより、周りに気を遣えていたのだろうか・・・

自分の高校生活三年間がが不安になってきてしまう。