「嘘……………」


そう、それは、今日一、ううん。人生一の驚きと戸惑いだった。


図書室にある、使われなくなった一つ黒板の前、私はまるで足を床に縫い付けられたように動けなくなった。



〃寂しい〃


そう書かれた黒板の文字。これは、私が誰に宛てるでもなく書いた心の声だった。



そう、誰に宛てたものでもない。
これは、言葉に出来ない私の気持ちを、ふと残したいなんて考えた過ちの結果。


小さい小さい文字、大きな黒板の端。誰の目にも止まらないはずだった。それなのに………




〃どうして〃


たった一言だった。たったそれだけの言葉が、私をこんなにも動揺させる。



そう、私は、この学校では存在してないんじゃないかと思うくらい、存在が薄い。そして、孤独だ。